01-01 アイデアを得る 01-02 引き算の発想 02-01 三幕構成 02-02 ルール・オブ・サード

01-01 アイデアを得る

企画をはじめる

 

アイデアを得ようとするとき、何もないゼロ状態で考えたとしても、成果を得ることは難しいと思います。思考するのではなく記憶や体験を呼び起こしたり、興味のあることの資料を探ってみてください。また、散歩やとりとめのない会話はたのもしい味方です。そして何よりも締め切りという制約が能力以上の力を発揮させてくれます。

 

パックマンに足や羽を組み合わせて展開していくことは同時に受け手から作り手への変化ともいえます。例えばロケットも自動車も現代のモノですが、火を使う観点からみると火を使い始めた旧石器時代のアイデアの組み合わせといえるでしょう。また、語り継がれた英雄神話には一貫した共通パターンがあり、最先端の映像技術で制作されたスターウォーズシリーズやマーベル作品にもそのパターンは組み込まれています。

参考:『千の顔を持つ英雄』ジョーゼフ・キャンベル Amazon

 

はたから見るとゼロから新しいモノが出来上がったように見えてしまいますが、実際は感性の引き出しに日常で感じたことや興味のあること、仕事で得たノウハウが詰まっていて、それを取り出し、組み合わせることでつくり上げていきます。
表現において大切なのは考えることより感じることです。日々の小さな感動を積み上げて大きな感動を作り上げる。それを多くの人と共有したり、届けるべき人に届けることが作り手の使命だと思います。

 

アイデアを思いついたら

参考: ブレインストーミング (ブレスト) wikipedia

基本ルールはwikipediaを参照してください。様々な技法がありますが普段の方法を紹介します。3~5人でテーブルを囲んで座り、議題は暗黙の了解として仕事上の上下関係もないことにします。司会進行や資料、記録、終了時間の設定など形式的な要素は極力さけます。飲み物とスイーツを用意してリラックスな雰囲気で、暗黙の議題を他愛のない会話のように続けていきます。メモなどもとらず会話に集中すると参加メンバーに意識の一体感が出来上がり、やがて求めていることが導かれます。

得られたアイデアから企画としてまとめあげていきます。複数のアイデアから作品の骨格、コンセプトになる内容を検討し、簡潔な一文で書き表すことで具体性を持ち始め、よい部分や問題点、不要なことなどが明確化します。

 

参考: 簡潔な一文で書き表す – プレミス Premise –

作品の内容を簡潔にまとめることの重要性をハリウッド映画のプレミスを参考にしてみてください。プレミスとはストーリー、概念を一文に書き表したもので、企画から資金調達、制作、広告イメージまで一貫して用いられます

▶プレミスの言葉を意識して予告編を見て下さい。
プレミス: 沈没船に乗り合わせた身分の違う男女の悲劇的恋愛


タイタニック
(1997)

まとめ

・ゼロから考えない

「無から創造できるのは神のみ」と思ってください。私たちは神ではありません。しかし、私たちには物事を感じとる能力があります。

・記憶や体験、興味を組み合わせる

企画を思考するのではなく、面白い作品や感動した風景など様々な記憶や体験、やりたいこと、気になることを組み合わせてみると新たなアイデアが浮かびある、思いつくはずです。

・アイデアは必ず人に話す

漠然とした頭の中のアイデアを人に伝えられるように言葉を探すことで表現として具体化されていきます。また別の人の記憶や体験と組み合わさることで更なる深みや広がりが得られます。

・企画として内容を簡潔な一文にする

複数のアイデアから作品の骨格になるアイデアを検討し、内容を簡潔な一文で書き表すことができれば、作品の具体性をもった企画になります。

 


 

01-02 引き算の発想

 

足し算のデザイン 引き算のデザイン

クリエイティブにおいて様々な要素を足していくのは当たり前の事なので「 + 足している」と意識することはありません。逆に引き算のクリエイティブを無意識にすることはなく必ず意図があります。

感覚的に良い、悪い、の問題ではなく作業中に「 + 足している」のか「 – 引いている」のかを意識することがとても大切です。足し算と引き算のバランスや一貫性をたもつことは成功へとつながります。

Link > hosanna1.com

Link > スマイルプリキュア!

Link > Google

引き算の構造

左の商品から引き算のデザインをした例。余白を埋めたロゴや柄、キャップのラメをとりスペースをつくり、最終的に色をとり、さらにスペースを広げています。足し算の考えでは余白は埋め尽くすものですが、引き算では余白を生かし他の要素とのバランスをとっていきます。

 

モノトーンと余白をいかした典型的な引き算のクリエイティブ。雑然とした街中ではコントラストが生み出され非常に目立ちます。余白はロゴや写真といったデザインの要素とのバランスが大切で、矢印をクリックしてルール・オブ・サードと黄金分割のグリッドを確認してください。余白を生かすために構図を緻密につくり上げています。

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『アメリ』 (2001)

全編にわたりセットや小道具、衣装の色を引き算してグリーンと補色に近いローズ系の赤2色にしています。写真内の矢印をクリックしながらショットの細部にその2色を見つけだしてください。

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まとめ

・「 + 足している」「 – 引いている」を意識する

企画から完成までの制作過程において様々な要素が一貫性を欠く、安直な足し算になっていないか、引き算の観点から常に注意をはらってください。

・撮影・編集は引き算

撮影において余計なモノが映り込まないようにカメラの位置やレンズを変え構図をとり、雑然とした現実から引き算をして画を作ります。また、編集では撮影素材から必要な画を選び出していきますが、不要な画を引いているともいえます。

 

 

02-01 三幕構成

制作実習で用いる手法、三幕構成を詳しく説明します。
三幕構成は映像作品の基礎となります。企画がある程度明確になった段階で、その要素を三幕の構造に落とし込むことで映像化への大まかな設計図となります。つまり、企画作業の最終段階となり、最終的な映像ジャンルやスタイルに合わせシナリオ、画コンテ、ハコ書き、構成のみで何もしないなど次の制作段階へ展開していきます。

三幕構成(3ACT)の基本構造

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Mountain Dew – Change
CF (2005)
▶ 長編アニメーションのシーンでセントラル・クエスチョンに対し解決の糸口を見いだすシーンです。この作品は本編を構成する各シーンもほぼ三幕で構成されています。日常的な会話が自然に進行していますが三幕の基本構造に則り全く無駄がありません。各キャラクターの目の表情から心情の変化、また音楽が三幕の基本構造とどのように関わっているか1つの要素に注目して繰り返し再生して確認してください。なおシャドーニング、ペイは次に説明します。
ズートピア
(2016)
▶ 抽象的なアニメーションによる学生作品。三幕構成の比率に則ってイメージが変容し展開していきます。イメージの変容、つまり成長することは構成を展開するうえで重要な要素になります。三幕構成は劇映画の視点で論じられますがその基本構造は全ての映像スタイルに有効です。日本ポストプロダクション協会 AWARDS2017 学生の部・CGアニメーション部門奨励賞受賞
高橋里沙 – Link to Flora
(2017)
・三幕構成: 作品を3つに分け1幕で始まり、2幕で広がり、3幕でひねりを加える。作品の長さに関わらず3つの幕の比は1:2:1になる。企画から撮影、編集と一貫してこの比率を意識することで作品にリズムが生まれる。

・プロット: ストーリー上の要約。出来事と出来事の因果関係を書き表す。

・ターニング・ポイント: 1幕と2幕の間、2幕と3幕の間の盛り上げる箇所。

・セットアップ: ストーリー上の設定、登場人物の紹介や設定を観客に伝える。

・セントラル・クエスチョン: ストーリー上の大きな問題や障害。登場人物はこの問題・障害を乗り越えるために行動をおこす。

・ミッド・ポイント: 作品の中間点。大きな問題や障害の解決策をみいだし、ストーリーの流れが変化する。

・クライマックス: セントラル・クエスチョンで示した大きな問題・障害が解決する。

・レゾリューション: クライマックスの結果を受け、セットアップで提示された設定の変化。

・サブ・プロット: メインのプロットと同時進行する別のプロット。単純な三幕構成を複雑化して深みや広がりを与える。

三幕構成(3ACT)における構成の展開

シナリオ制作には数多くのテクニックがありますが、ここでは劇映画に限らず様々な映像スタイルに応用が出来る、構成を展開する上で有効的な要素を取り上げています。


スタンド・バイ・ミー
(1986)

バック・トゥ・ザ・フューチャー
(1985)

作者の性格を疑いたくなるようなバリアの貼り方でした。障害続きで登場人物は翻弄させられ最悪な事態でのタイミングでプロットが出会い一気に解き放つ展開は見事だと思います。1979年にシド・フィールドの著書『SCREENPLAY』で過去の名作を分析し三幕構成を体系づけ、80年代中頃から末に公開され作品はその理論を取り入れ、三幕構成の実験と思えるような作品が多く、この『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も全編シャドーニングとペイの連続になっています。

 

参考:『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』シド・フィールド Amazon

 

▶ 特徴的な構造をもつラブストーリーの一部です。問題、障害、最悪の事態とするとネガティブな印象になりますがポジティブな問題、最高の出来事もプロットの展開させるテクニックとして有効です。
運命的な出会いというポジティブな問題に主人公は戸惑い、そして恋愛のもどかしさといった心情を「対立する関係」として、あらたな障害を作り上げ次のプロットへと展開していきます。散歩の犬のサブプロットの絡みと主人公の心情の揺れ動きを表情やしぐさから読み取ってください。運命の出会いというファンタジーな出来事とリアリティーのある日常的な散歩の犬や主人公の心情の揺れ動きが心地よいコントラストを作り上げています。

P.S.アイラヴユー
(2007)

 

セットアップに対し問題や障害を与えることでプロットは動き出します。そのプロットにおいて必ず出来事と出来事との因果関係を考えるようにしてください。例えば出来事と出来事を「アンド」でストーリーを構成すると「国王が亡くなった。そして王妃が亡くなった」となり、因果関係をくわえると「国王が亡くなった。そして王妃は悲しみのあまり亡くなった」となります。都合のよい単純な展開ではなく、登場人物の心情の変化がえられ、深みや広がりのある展開になります。出来事の因果関係を考えずに書き表したシナリオはリアリティーのない、見ていると恥ずかしく感じる映像になってしまいます。
『ズートピア』のキャラクターの目の動きから心情の変化を読み取り、『P.S.アイラヴユー』の主人公の心情の揺れ動きを確認してください。出来事の中に自分がいたら、その状況をどのように感じ、どう行動するでしょうか? 鉄橋を前にしたスタンド・バイ・ミーの5人目の友達として想像してみてください。

 

・成長/変化: 劇映画は通常、主人公はマイナスも含め成長をするが、様々な映像表現においても必ず作品の時間軸上での心情の変化や行動の変化、形状の変化、時間の変化が必要である。

・バリア/障害: セントラル・クエスチョンは作品上の大きな問題や障害でバリア/障害はシーンやカットの中の小さな問題や障害。セントラル・クエスチョンと同様に登場人物に問題や障害を与えることで登場人物はそれを回避しようと行動を起こす。

・間違った選択: セントラル・クエスチョンやバリアに対し登場人物がリスクのある間違った選択をさせることで起伏のある展開になる。劇映画の場合「Magic3」と言われ、主人公は少なくとも3回は誤った選択をしミッドポイント以降の最悪な事態を引き起こす。

・対立する関係: 登場人物たちが対立している設定にするとリスクをとる間違った選択をさせやすくなり、また問題や障害も発生させやすい。

・シャドーニング/伏線: 唐突なストーリー展開、現実離れした出来事などに対し、前もって予想を暗示することで展開の違和感を回避させる。シャドーニング/伏線を用いたら必ずペイ/解決をする。

・パラレル・アクション: 並行する二つ以上のプロットをカットバックして緊張感や臨場感を作り上げる。サブ・プロット同様にプロットが出会う、絡み合う箇所は盛り上がる。

 

 

言葉から映像へ

企画・制作の作業は主に文字や言葉、絵を使いながら行いますが、その漠然とした曖昧さや幅広い意味合いに注意をしてください。試しにAとB二つの音楽を聴きながら「愛」をテーマにシーンのイメージを読んで映像を想像してみて下さい。

 

A   音楽: Enya – May it be
シーンイメージ:
光り輝く太陽 / 大草原 / ゆっくりと風になびく草花 / 大自然の中で子育てをする野生動物たち / 無邪気な動物の赤ちゃんたちの表情
B   音楽: Jason Mraz – I’m Yours
シーンイメージ:
光り輝く太陽 / 緑豊かな大都会の公園 / ひだまりで様々な若いカップルたちが楽しく過ごしている / スローモーションで笑顔のアップ

頭の中に「愛」をテーマにした映像イメージが浮かんできましたか? 「愛」という言葉がもつ幅広い意味合いによりAとBでは異なる意味の表現になってしまいました。映像表現では「愛」という抽象的な意味を、実際に目で見える現実の出来事に置き換える必要があり、目に見えない心情は役者に演じてもらうなど、より具体的にすることが重要なポイントになります。
曖昧さや幅広い意味合と個人の感性や経験、環境の違いによりイメージの共有が出来ないことが原因で最終的に異なる映像が出来上がるトラブルは実際の業務においてもよくおこります。参考の映像や写真、テスト撮影やプレビズなどで曖昧さを解消して目標となるイメージを共有することはとても大切です。

 

まとめ

・企画で上がったアイデアを三幕の基本構成にあてはめてみてください。その際、結末を中心に考えるのではなく、セットアップとセントラル・クエスチョンの組み合わせでどのような展開になるかをプロットにまとめ、もし意図した結末にならないならセットアップやセントラル・クエスチョンの設定を変更してみてください。

・企画・制作作業は主に文字や言葉、絵を使いながら行いますが、シナリオのセリフは音に変換され、ト書きや画コンテ、頭の中のイメージはカメラの前の出来事となり、レンズを通過した光により画像として定着します。映像は全てを光と音に変換した表現になることを認識してください。

 

次は制作実習で用いる手法、ルール・オブ・サードの画面構成を詳しく説明します。

 

02-02 構図:ルール・オブ・サード

 

スマートフォンの普及により誰もがカメラを持ち歩く時代となりました。仮に楽器が電話と一体化してると想像してください。楽器を演奏するのにはかなりの肉体的トレーニングが必要です。すべてのスマートフォンに楽器が入っていても人々は手軽に音楽を演奏するとは思えません。ところがスマートフォンのカメラはボタンを押せば結果が得られます。肉体的トレーニングは不要で写真や映像の表現など意識すらしていないと思います。ここでは楽器で音楽を表現するのと同様にカメラでイメージを表現するためにルール・オブ・サードを用いた画面の構成方法、構図を詳しく説明していきます。

 

ルール・オブ・サード 構図の基礎

ルール・オブ・サード (Rule of Thirds) は三分割法ともよばれています。横向き、縦向きどちらの画面でも有効で、19:6や正方形といった画面の縦横比に関係なく、縦と横を均等に3分割したグリッドを想定します。絵画的な表現の場合、視覚要素を想定したグリッドの線や面を基準にイメージをまとめ上げていきます。また、写真や映像など対象(被写体)をカメラを用いて画像を得る場合はカメラの位置を動かし、レンズの設定を変更しながらグリッドの線や面を基準にイメージのバランスをまり、対象を画面に収めていきます。
均等に3分割されたグリッド

 


ウォルト・ディズニー Opening Logo

 


ロジャー・ラビット
 (1988)

グリッドを基準に配置された絵の要素とアニメーションの動きがバランスよくまとまっています。また、プロットはパラレルアクションで2つのプロットが出会う箇所でダイナミックな展開になっています。
ルール・オブ・サードは1797年、ジョン・トーマス・スミスによって風景画における構図の原則は比率を地面を3分の1、残りの3分の2を空とすると最初に書き留められています。その原則を写真や映像におきかえてルール・オブ・サードの使い方を説明します。

 

ルール・オブ・サードの基本的な使い方

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ルール・オブ・サードと映像表現

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▶カメラの切り替え(編集)とルール・オブ・サード(ナイン)のグリッドの関係を映像で確認してください。また、ロング・ショットからクロースアップまで画面のサイズは変化しますが、構図は一貫してルール・オブ・サード(ナイン)であることも合わせて確認してください。

 

▶ ルール・オブ・サードの縦と横のグリッド線が交差するポイントを基準に構図を決めている事例です。

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映像作品の制作において全てのカットの質感を統一することは前提条件となります。常にルール・オブ・サードを用いることでイメージの一貫性を得ることが出来、スタッフの感性の違いによる統一感の欠落を防ぐこともできます。実際、編集作業において異なる質感のイメージを編集するのは非常に難しく、良い結果は得られません。イメージの質感を統一することは制作全般に影響があり、撮影でルール・オブ・サード、3のルールを守ることはとても重要です。

 

▶ 画面の矢印をクリック/タップして画を送り、今までの説明をもとに対象(被写体)とグリッドの要素である線や交差するポイント、面がどのようなバランスで画面全体の構図を作りあげているか観察してください。また異なる様々作品ですが、構図には一貫性があることを確認してください。
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▶ 手持ちのステディカムを使用したアクションシーンです。カメラは登場人物の動きに合わせて動きますが、ルール・オブ・サードのヨコ/上のグリッドに人物の目に合わせ、同時に目線のスペースを確保する構図に徹しています。また、きれいな三幕構成のシーン・シークエンスです。構図と目線に注目してプロットの展開とどのように絡みあっているかを読み取ってください。

 

スマートフォン・カメラの利用

スマートフォンのカメラにルール・オブ・サードのグリッドを常に表示をさせ、撮影時に構図を意識するように心がけてください。画面は横向き、縦向き、どちらでも有効です。スマートフォンのカメラは一部の機種を除きレンズの特性を生かした表現はできません。つまり構図が良ければよい写真となり、構図を意識した結果が分かりやすい利点があります。グリッドと対象(被写体)がうまく収まるにスマートフォン・カメラを動かして構図を決めてからシャッターを押すようにしてください。

グリッドの表示方法

  • iPhone: 設定>カメラ>グリッドをON
  • Android: カメラアプリ内の「歯車マーク」「スパナマーク」から設定を確認 「グリッドの種類」など

 

まとめ

 

・対象(被写体)のある写真や映像で構図を決める上でルール・オブ・サードを用いる場合、ヨコ/上のグリッド線に人物の目、ヨコ/下のグリッド線に風景の地平線や水平線を合わせてみてください。またグリッドの交差するポイントを目安に構図を決めることもできます。

・同時に対象(被写体)の目線のスペースや動きのスペースも配慮してください。

・イメージの統一感は映像表現の前提条件であることを常に認識してください。

 

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